株式(法人)の種類
会社の種類(どのような器を選ぶべきか)
会社を設立する場合、まずはどの様な会社を設立するべきかという問題が発生します。会社には様々種類があり、各々特徴が異なります。以下、簡単に特徴を記載します。
株式会社
所有(出資者)と経営(役員)が分かれる事を予定した利益追求型の会社です。一番多いのが株式会社で、単に会社というと株式会社をイメージされる方が多いと思います。従前あった有限会社は会社法施行とともに株式会社に統一されました。会社法施行後は機関設計が多様になりましたが、設立する時点では大きく分けて取締役会を設置するか否かがポイントになります。(委員会設置会社を除く。)株式会社の特徴としては、出資のみ又は経営のみ参加する人間を広く募ることが出来るため、潜在的な資本力や経営力が次の合同会社など他の器に比べて高いものと評価できます。
取締役会を設置しない会社とは?
1名から設立・運営が可能です。株主総会が組織、運営、管理その他一切の事項について決定し、取締役が業務執行をします。株主総会に大きな権限があり後述する合同会社類似の性質を有すると言えます。
取締役会を設置する会社とは?
出資者は1名で足りますが、役員として取締役3名+監査役又は会計参与1名の合計4名が最低限必要です。
機動的かつ適切な意思決定を確保するため業務執行に関する意思決定は取締役会が行い、株主総会は法律又は定款で定められた事項以外の事項については決議することができません。役員の独立性が高く株主数が多い会社に適しています。
合同会社(LLP)
所有(出資者)と経営(役員)が原則的一致する利益追求型の会社です。家族やごく親しい友人だけで出資し、経営を続けていく場合に向いています。株式会社への組織変更手続きが用意されていますので、将来規模を大きくしていこうと考えているベンチャー企業などにも向いていると言えます。
一般社団・財団法人
剰余金の配当が出来ないという意味で非営利型の法人ですが役員報酬や給与の支払い制限はありません。公益事業や共益事業(社員に共通する利益を図ることを目的とする事業)を行う場合に向いていますが収益事業をする事も妨げられず、事業目的にも制限はありません。従来の社団・財団法人と中間法人を統一して平成20年12月から制度が始まる法人です。従来のように主務官庁の許可により成立するという事はなく、株式会社等と同様に設立することが可能となりました。また、主務官庁による監督という制度も原則無くなりました。
公益社団・財団法人
公益事業を主目的とした一般社団・財団法人は内閣総理大臣又は都道府県知事の公益認定を受け、公益社団・財団法人となることが出来ます。定款規定や財政基盤、機関設計等様々な認定基準をクリアして認定されることにより、税金の優遇措置が受けられることになります。一般社団・財団法人と違い内閣総理大臣又は都道府県知事の監督を受ける事になります。
NPO法人
ボランティア活動などの社会貢献活動を行う、営利を目的としない団体として内閣総理大臣又は都道府県知事の認証を受けて設立する法人です。活動分野は法定されていますが収益事業を禁止されている訳ではなく、従業員に給与を支払うことも可能です。利益分配は禁止されています。設立時に10名の社員が必要で役員として理事3名以上及び監事1名以上の計4名は最低限必要になります。公益社団・財団法人と同様所轄庁の監督を受けます。
有限責任事業組合(LLC)
名前の通り組合ですので厳密に言うと法人ではなく、法人格はありません。組合契約及び出資の履行により成立するので2名以上の組合員が必要です。社員は全て出資した財産の限度で組合の債権者に責任を負う有限責任です。構成員に直接課税される為、法人及び利益分配に課税される二重課税の問題は解消されます。ベンチャー企業、ベンチャーキャピタルや共同研究開発の器として期待されています。
投資事業有限責任組合(LPS)
LLCと同様に組合であり法人格はありません。いわゆる投資ファンド向けの器で無限責任社員が最低限1名及び必要になり、無限責任社員がファンドマネージャーとなることが想定されています。
|